未来を見つめる5つの視点

キリンホールディングス株式会社

CSV戦略部草野 結子*所属等は取材時点(2020年3月)でのものです。

未来を見つめる5つの視点

キリンホールディングス株式会社

CSV戦略部 草野 結子
*所属等は取材時点(2020年3月)でのものです。

未来を見つめる5つの視点

キリンホールディングス株式会社

CSV戦略部 草野 結子
*所属等は取材時点(2020年3月)でのものです。
「一番搾り生ビール」などのアルコール飲料、「午後の紅茶」「生茶」「キリンレモン」などのソフトドリンク、また最近では医薬やヘルスサイエンス事業にも力を入れるキリンホールディングス株式会社は、社会性と経済性を両立する取り組みが高く評価されています。原料生産地、地域社会や消費者、取引先や従業員など、あらゆるステークホルダーを巻き込んで持続可能な社会をめざす取り組みから、企業経営の未来が見えてきます。

社会課題の中で生まれるビジネスの可能性が会社の将来を切り拓いてくれる。

私達が目標に掲げるのは「世界のCSV 先進企業」。CSV(Creating Shared Value)とはお客様や社会と共有できる価値の創造という意味で、めざすのはその先進企業となることです。当社が社会に広く目を向ける転機となったのが、2011 年の東日本大震災です。キリンビール仙台工場も大きな被害を受けましたが、行政や地域社会のサポートや従業員の協力などにより、6カ月という短期間で稼働を再開。その後「復興応援 キリン絆プロジェクト」として行った復興応援など、この時期の一連の経験が、会社と社会とのつながりを再認識し、現在の経営方針につながる“ はじめの一歩” になりました。

社会課題への取り組みが会社の未来をつくる

お客様や社会と共有できる価値の創造、事業を通じて社会課題を解決しながら利益を生み出し会社を成長させていく「CSV経営」を、私達は2013 年から経営方針の軸としています。

私達が販売しているお酒は心豊かな生活に貢献する一方で、健康を損なうリスクがあります。また、健康意識の高まりや気候変動や海洋プラスチックごみ等の環境問題も、事業に深くかかわる社会課題です。私達は『酒類メーカーとしての責任』『健康』『地域社会・コミュニティ』『環境』の4 つを重点課題とし、2017 年に課題へのアプローチ方法をまとめた「CSV コミットメント」を策定しました。そして2019 年には、2027 年に向けた長期経営構想をベースにして、今後めざすべき指針を存在意義「CSV パーパス」としてまとめ、合わせて「CSV コミットメント」を見直し、目標値となる成果指標を設定して事業戦略に落とし込み、社会価値と経済価値の両立をめざす枠組みをつくりました。

日本で特に問題が大きい少子高齢化や人口減少が進む中で、これからも企業として存続し続けるには、どうしたらいいのか。SDGs によって社会課題への意識が高まる中で、事業継続のためにリスクを排除し、さまざまな場面で社会課題を解決するような取り組みが、商品や企業の価値を高め、ビジネスの成長性を高めるきっかけとなるでしょう。私達にとってこれらの取り組みは単なる社会貢献ではなく、新しいビジネスの種を育み、持続的成長につなげるための活動です。社会課題の解決、企業としての利益追求のどちらかが欠けても、この「CSV 経営」の考え方は成立しないものなのです。

SDGs の登場が取り組みの後押しになった

私達も多くの取り組みを行っていて、「CSV パーパス」の中の『環境』では再生可能エネルギーの導入やPET ボトル原料のリサイクル樹脂へのシフトを、『健康』では医療領域での貢献に加えて、たとえば「プラズマ乳酸菌」を使用した「iMUSE(イミューズ)」ブランドを国内外で展開しています。

『地域社会・コミュニティ』では、ビールの魂といわれる大切な原料ホップの生産量が、農家の後継者不足等により激減している課題に取り組んでいます。貴重な日本産ホップを栽培している岩手県遠野市と秋田県横手市の農家の方々と持続可能な生産体制をつくり、「一番搾り とれたてホップ生ビール」やスプリングバレーブルワリーのクラフトビールなどの日本産ホップを売りとした商品を生産。岩手県遠野市の新規就農者数も徐々に増加し、生産地域やクラフトビール市場産業の活性化につながりました。

またアルコール商品を扱う企業として重視するのが、『酒類メーカーとしての責任』として掲げる取り組みです。ノンアルコール・低アルコール商品の開発や、ゆっくりとお酒を楽しむ「Slow Drink Ⓡ」キャンペーンなどを展開。健康を害さないアルコールの正しい楽しみ方を広げることで、より多くの人にお酒を楽しんでもらえる市場をつくっていく。有害摂取根絶に向けた啓発とビジネスとの両立を踏まえて取り組んでいます。

私達自身もまだまだCSV に関する理解を深めなくてはいけませんが、世界の共通言語であるSDGs の登場によってこれらの取り組みが、より多くの人に伝わりやすくなり、ビジネスとして広がる可能性が高まったように思えます。世界の社会課題をビジネスの機会としてとらえ、私達だからできるユニークな活動を通して、持続可能な社会と企業活動を実現したいと思います。

キリンホールディングスの取り組み
持続可能な社会と企業活動の実現

キリンホールディングスでは「CSVパーパス」に基づき『酒類メーカーとしての責任』を果たすことを前提に、『健康』『地域社会・コミュニティ』『環境』に重点を置いた「CSV経営」を進めています。原料生産や環境問題、研究開発、啓蒙活動など幅広い展開が特徴。経営計画の中で具体的な数値目標を定めていることも、注目すべきポイントです。

日本国内のホップ生産量が減少を続ける中、生産地と協力して持続可能な生産体制を構築。毎年期間限定で販売する「一番搾り とれたてホップ生ビール」やクラフトビールなど、希少な日本産ホップが商品の個性として活かされています。

長く取り組んできた乳酸菌研究で発見された、免疫細胞の司令塔を活性化する「プラズマ乳酸菌」を配合した「iMUSE」は、ソフトドリンク、ヨーグルト、サプリメントなどをラインアップ。新工場の設立など、乳酸菌事業のさらなる推進を図っています。
SPECIAL MESSAGE

未来を見つめる5つの視点

地域課題と企業のアイデアをつなげて
持続可能な課題解決方法を導き出していく。
ヨコハマSDGsデザインセンター 総合コーディネーター 麻生 智嗣
ヨコハマSDGsデザインセンター 総合コーディネーター
麻生 智嗣
ビジネスを通して課題解決をめざすことが
企業のSDGsにおける最大のポイント。
経済産業省 経済産業政策局 産業資金課 髙津戸 拓也
経済産業省 経済産業政策局 産業資金課
髙津戸 拓也
社会や世界のためにどう動くか。
そのやり方は一人ひとりの中にあるはず。
特定非営利活動法人
TABLE FOR TWO International
池田 いづみ/代表 安東 迪子
特定非営利活動法人
TABLE FOR TWO International
池田 いづみ/代表 安東 迪子