未来を見つめる5つの視点

経済産業省

経済産業政策局 産業資金課髙津戸 拓也*所属等は取材時点(2020年3月)でのものです。

未来を見つめる5つの視点

経済産業省

経済産業政策局 産業資金課 髙津戸 拓也
*所属等は取材時点(2020年3月)でのものです。

未来を見つめる5つの視点

経済産業省

経済産業政策局 産業資金課 髙津戸 拓也
*所属等は取材時点(2020年3月)でのものです。
国や地方自治体に加えて、SDGsの推進に欠かせないのが企業の存在です。そしていまでは世 界的に、「SDGsに積極的に取り組んでいるか」 が企業の価値を評価する重要なポイントとなっ ています。そういった中で企業をサポートし、 さらに日本の企業の取り組みを世界にアピール しているのが経済産業省です。SDGsの推進に 企業の存在が欠かせない理由、そして企業が持 続可能な社会実現のためにめざすべきものとは 何なのでしょうか。

ビジネスを通して課題解決をめざすことが
企業のSDGsにおける最大のポイント。

SDGs には多くの組織の連携が求められますが、特にビジネス界の協力が欠かせないと国としては考えています。SDGsが国連で策定された翌年には、内閣総理大臣をトップとした「SDGs 推進本部」が設立され、2018 年からは国としての指針を定めた「SDGs アクションプラン」を制定。「拡大版SDGsアクションプラン2018」以降、「SDGs 経営推進イニシアティブ」により、企業等の経営戦略へのSDGs の組込みが推進されています。

ではなぜ、SDGs において企業の取り組みが欠かせないのか。SDGs の前身となったMDGs も含めて、これらの目標は国連を中心とした公的機関が設定したものですが、これだけ多くの目標を達成するには、公的機関のリソースだけでは足りません。そこで、企業の力に期待が寄せられているわけです。一方で、企業から見るとSDGs は大きなビジネスチャンスになるもの。これまで長年にわたり様々なビジネスや技術が登場してきましたが、SDGs で掲げられた目標は、「企業が手を付けられずに取り残されてきた分野に関するもの」と言えます。そこにいち早く着手して、新たなビジネスを展開すれば、他社に対して大きなアドバンテージを手にすることができるのです。

世界的に価値観が大きく変化する時代に

ビジネスとSDGs の深い連動性に関してもうひとつ挙げられるポイントが、企業が持続的にビジネスを続けていくために、中長期的な経営視点が重要になってきたことです。

2006 年頃から、投資家が投資を行う企業を決定するための評価基準として、「環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)」といった要素を考慮する「ESG 投資」が、急速に拡大しています。この根底にあるのは、社会や環境との共存を目指した中長期的な経営視点を持たない企業には、持続的な成長が見込めないという考え方です。また、産業構造の変化や技術革新、グローバリゼーションの進展に伴い、企業の成長において、人材や研究開発基盤、ブランド、社会からの信頼といった「無形資産」の重要性がますます増大しています。

投資家がESG をはじめとする企業の「非」財務的な情報を重視するようになり、さらに企業の成長において「無形資産」の重要性が増している世の中においては、目先の利益ばかりを追求している企業には将来がないということになります。企業にとって、SDGs の視点を踏まえてビジネスを行っていくことは、現代において持続的な成長を遂げていくために不可欠なこと。そのような中で、感度の高い企業がいち早くSDGs に着目し、取り組みをスタートさせています。

経済産業政策局 産業資金課 髙津戸 拓也

これからの世代に寄せられる大きな期待

そして企業がSDGs に取り組む上で重要なポイントが「本業の中で社会課題の解決をめざす」ということ。
本業とは無関係に、たとえば、社員が休日にボランティアを行うといった活動も評価すべきではありますが、ビジネスとして利益を出しながら行ってこそ持続可能な活動となり、企業が行う意義が出てきます。これまで行っていたビジネスにSDGs の考え方を後付けするのではなく、そもそも社会課題に対する解決策としてのビジネスをつくりだしていく企業こそが、他社にとってもモデルケースとなり得ます。経済産業省としても、このような企業の活動を広くアピールしていきたいと考えています。

このようにSDGs の考え方を踏まえたビジネスが求められ、さらには製造業やIT といった分野の垣根を越えた新たなビジネスが生まれている中、企業は新たな視点でもってビジネスを展開していく必要に迫られています。そこで期待がかかるのが、社会課題解決への意識が高い20 代~ 30 代の「ミレニアル世代」と、さらにそれ以降の世代の人達です。若い起業家の多くは社会課題に対する意識が高いといえますが、「ミレニアル世代」は働き手や消費者としても、社会に登場してきます。SDGs の視点を踏まえたビジネスや商品・サービスに対する評価はより高まるでしょうし、企業活動においてもSDGs を深く理解した世代がより活躍できるような時代がはじまりつつあります。

そのためにもこれから大学で学ぶ人たちには、大学で一生懸命勉強するのはもちろん、それに加えて自分の足で多くの場所を訪れて、自分の目や耳や時には肌で「体験すること」を積み重ねてもらいたいと思います。海外に足を運んだり、インターンシップやアルバイトでいろいろな企業の仕事を体験してみたり……。変わりつつあるビジネスと社会課題の関係性を肌で感じた経験が、将来をつくる鍵となるはずです。

経済産業省の取り組み
企業の「SDGs経営」実現をサポート

経済産業省では、大企業やスタートアップ企業の経営者、投資家、大学関係者などを集めた「SDGs経営/ESG投資研究会」を設立し、企業がどのようにSDGsを経営に取り込むべきか、その指針を示すための議論を重ねてきました。そして2019年5月には、議論の成果をまとめた「SDGs経営ガイド」を作成。日本企業の取り組みを国内外に発信し、SDGsに係る企業の取り組みを後押ししていこうと、積極的にさまざまな取り組みを行っています。


2019年には、国連開発計画(UNDP)との共催で、企業によるSDGs経営を後押しするイベントを開催。

イベントにはアヒム・シュタイナーUNDP総裁や関芳弘経済産業副大臣(当時)などが参加。
(Photo:UNDP Tokyo)

SDGsへの理解を深め、ビジネスへの落とし込みを実現するための視点などを整理した「SDGs経営ガイド」。
SPECIAL MESSAGE

未来を見つめる5つの視点

社会課題の中で生まれるビジネスの可能性が会社の将来を切り拓いてくれる。
キリンホールディングス株式会社 CSV戦略部 草野 結子
キリンホールディングス株式会社 CSV戦略部
草野 結子
社会や世界のためにどう動くか。
そのやり方は一人ひとりの中にあるはず。
特定非営利活動法人
TABLE FOR TWO International
池田 いづみ/代表 安東 迪子
特定非営利活動法人
TABLE FOR TWO International
池田 いづみ/代表 安東 迪子
地域課題と企業のアイデアをつなげて
持続可能な課題解決方法を導き出していく。
ヨコハマSDGsデザインセンター 総合コーディネーター 麻生 智嗣
ヨコハマSDGsデザインセンター 総合コーディネーター
麻生 智嗣