未来を見つめる5つの視点

特定非営利活動法人
TABLE FOR TWO International

池田 いづみ/代表 安東 迪子*所属等は取材時点(2020年3月)でのものです。

未来を見つめる5つの視点

特定非営利活動法人
TABLE FOR TWO International

池田 いづみ/代表 安東 迪子 
*所属等は取材時点(2020年3月)でのものです。

未来を見つめる5つの視点

特定非営利活動法人
TABLE FOR TWO International

池田 いづみ/代表 安東 迪子 
*所属等は取材時点(2020年3月)でのものです。
世界では約10億人が、満足に食事ができずに飢餓や栄養失調で苦しむ一方で、20億人以上の人々が食べ過ぎや肥満等の健康問題を抱えています。そんな世界規模の『食の不均衡』の解消をめざしているのが、「特定非営利活動法人TABLE FOR TWO International」(以下TFT)です。学校や会社の食堂で健康的な食事をとって寄付もできる「TFTプログラム」を中心に、食を通して世界の人々の健康に貢献する活動とはどのようなものなのでしょうか。

社会や世界のためにどう動くか。
そのやり方は一人ひとりの中にあるはず。

安東 私達の活動に賛同してもらえる企業や大学の食堂、レストラン等でTFT のガイドラインに沿ったヘルシーメニューを提供してもらい、1食あたり20 円を寄付として、そこからアフリカ・アジアの子ども達に学校給食を提供する。健康的なおいしいメニューで利用者の食生活を支援しながら、一方で開発途上国の子ども達に給食を提供するというコンセプトから“二人の食卓”という意味で名付けた「TABLE FOR TWO プログラム」は、現在600社以上の企業、100校以上の高校や大学といった教育機関で採用されています。
TFT は2007 年に創設した組織ですが、もちろん当初は認知度もなく、取り組みを理解してもらう、信頼してもらうために企業への説明を繰り返す日々でしたね。プログラムのアイデアが誕生した当初から、企業へのネットワークを持つ著名な経営者の方が参加していたこと、TFT プログラムや活動のコンセプトを明確にしていたことが、多くの企業から賛同を得ている現状につながったのかもしれません。明確なコンセプトを持って、人とのつながりを大切にするという点は、ビジネスでも社会貢献でも変わらずに大切なポイントだと思います。

池田 私は新卒で大手飲料メーカーに就職し、その後専門商社に転職。9年間ほど企業で働いてから、TFT に入りました。他の社員も全員中途入社で、経験職種は結構バラバラです(笑)。そして私の場合は、大学生の時にTFT-University Association(TFT 大学連合)として活動していました。大学連合はいまや1000 人以上の規模にまで大きくなり、企業とのコラボや大学祭等での企画など、大学生ならではのアイデアで独自にさまざまな取り組みを行っています。

異なる経験を活かして、新たなプロジェクトに

安東 私達の活動もTFT プログラムだけでなく、協賛企業とのイベントなど色々と取り組んでいますが、そのひとつとして2015 年にスタートしたのが「おにぎりアクション」です。これは、おにぎりの写真をSNS や特設サイトに投稿すると、1枚の投稿につき給食5食分に相当する寄付(100 円)を協賛企業が提供し、アフリカ・アジアの子ども達に給食をプレゼントできるという取り組みです。1年目は1カ月半で約5000 枚の投稿があり、5年目の2019 年には約30 万枚の投稿をいただくまでになりました。5年間での累計投稿数は80 万枚となり、約450 万食の給食を届けることができました。
いまでは誰でも知っているような大手企業の協賛を得られていますが、実はこのプロジェクトも1年目は予算がほとんどなく「本当に実施できるのかな……」という状況でした。それがたくさんの一般の方々に参加いただけたことで軌道にのり、昨年には「ジャパンSDGs アワード外務大臣賞」を受賞するまでに。協賛企業の方々も、参加してくれた方々も喜んでくれましたね。

池田 一般の方々に参加してもらう「おにぎりアクション」は、過去に企業でマーケティングを担当していた社員の経験が活かされました。
私も企業での経験はもちろん、大学の教育学部で学んだことが、教育系企業と一緒に「おにぎりアクション」を教材として活用する企画づくりに役立っています。もちろんTFT には国際協力にとても詳しい社員もいますが、一人ひとりが自分の経験を活かして、個々の役割で活躍しています。

「 社会貢献」と自分の興味をつなげること

安東 私は法学部の出身ですが、「食」や「子ども」といった分野にずっと興味を持っていました。TFT に参加した頃も組織を一から立ち上げる面白さに惹かれたところが強く、社会貢献に関しては、今の若い人達と当時の自分を比べて意識の違いに申し訳ないくらい(笑)。社会や世界に貢献するにはもちろん「想い」も大切ですが、どのような活動をするかは、自然と自分の中から湧いてくるものだと思います。SDGs に関する取り組みが広がり、私達のようなNPO 法人だけでなく、企業等でも社会や世界に貢献しやすい環境ができてきました。

池田 大学生は興味を持ったことに、多くの時間を使える貴重な時期。その時間を使って興味や関心を掘り下げていくと、自然と色々な方向へと行動が広がっていくと思います。

安東 まずは自分としっかりと向き合い、自分のやりたいことを見つけて、その分野と「社会貢献」を掛け合わせてみてください。その先にやりがいを持って取り組める、自分らしい活動の形が見えてくると思います。

TABLE FOR TWO Internationalの取り組み

飢餓・貧困と飽食の課題を同時に解決する


食堂等で健康的なメニューを提供し、1食あたり20円の寄付を集める 「TFTプログラム」は、先進国の飽食課題と開発途上国の貧困・飢餓を 同時に解決する取り組み。
小売店や自動販売機にも広がり、これまで約7000万食の学校給食が届けられました。またSNSにおにぎりの写真 を投稿して寄付につなげる「おにぎりアクション」も大きな注目を集めています。

「TFTプログラム」で提供されるヘルシーメニュー。

「おにぎりアクション」には、全国の高校生等も数多く参加。多くの人々が気軽に参加できる仕組みで2019年には約30万枚もの“おにぎり写真”が投稿されました。

高校生の修学旅行の一環として、「TFTプログラム」を実施して いる企業や大学の食堂を体験するプログラムも実施されています。
SPECIAL MESSAGE

未来を見つめる5つの視点

ビジネスを通して課題解決をめざすことが
企業のSDGsにおける最大のポイント。
経済産業省 経済産業政策局 産業資金課 髙津戸 拓也
経済産業省 経済産業政策局 産業資金課
髙津戸 拓也
社会課題の中で生まれるビジネスの可能性が会社の将来を切り拓いてくれる。
キリンホールディングス株式会社 CSV戦略部 草野 結子
キリンホールディングス株式会社 CSV戦略部
草野 結子
地域課題と企業のアイデアをつなげて
持続可能な課題解決方法を導き出していく。
ヨコハマSDGsデザインセンター 総合コーディネーター 麻生 智嗣
ヨコハマSDGsデザインセンター 総合コーディネーター
麻生 智嗣